第三回「PDFがこれからのDTPを代えていく」

●それは一つのメールがきっかけだった

ここのコーナーでの記事に興味を持ってくれたある雑誌社から突然一通のメールが届きました。

DTP系の雑誌でこの実験を是非雑誌に書いてもらえないか?と言うようなことでした、
早速、電話で翌日に担当の方とお会いすることになり、原稿を書くことになりました。

今回の実験ではイラストレータ10とPDFで検証していますが、これからどんどんPDFで入校できるというようなことも書いていただいたいと言われ、いままでそれほど興味のなかったPDFというものを調べ始めました。

その前になぜ興味なかったかというと、一度ある会社へPDFでフォント埋め込みでチラシ原稿をおくったことがあったのですが、私としては全てのフォントがそのまま埋め込まれていると思っていたのですが、後日その会社にいって、この会社のプリンターで出力したものをみて唖然としたのです。大半のフィントはちゃんと指定どおり出ているのですが、全く別のフォントに置き換わっているものもあったのです・・・・。
それがキャッチのフォントだったので、本当にびっくりしたというか、がっかりしてしまったのです。

それ以来あまりPDFというのは信用していないというか、たいしたものではないと思いこんでいたのですが、今回いろいろ実験していて、思った以上にPDFって凄いと思い始めたのです。

●また一つのメールがきっかけとなった・・・

いろいろな資料を集め、見出しを考え・・・原稿を書き始めました。なんだかんだ言ってもやはり詳しく正確な情報を得ないと簡単に原稿なんて書けるものではないのですね・・・、思った以上に資料集めに時間がかかったのですが、無事に何とか原稿も書き終えました。ちょっと一安心、その後、原稿は校正を通ってまた戻ってくると思っていたところ、また編集部の担当の方からメールをいただきました。

「PDFでは、例の印刷所を同じようにOS 9+Illustrator 10ではフォ
ント代用されてしまいます。Acrobatでチェックしたらとりあえず
埋め込まれてはいるようなのですが・・・・」

え?Acrobatでフォントがちゃんと埋め込まれている!ちょっと衝撃でした。
フォントについてまたまた調べ直しです。

●TrueType
TrueTypeフォントの特徴は以下の通りです。
・安価である
・PDFへの埋め込みが出来る
・種類が豊富である
●NewCID Font
OCFで抱えてきた問題を解消し、新たなフォーマットととして登場してきたのがCID(Character-ID Keyed)です。前述したとおり、ここではCIDとNewCIDを同じ扱いとして進めていきます。CIDフォントの特徴として次のようなことがあげられます。
・PDFに埋め込みができる。
・アウトラインプロテクト制限がない
・OCFにくらべてデータ容量が非常に軽い。
・異体字切り替えができる。
・フォント自体が、ツメ幅情報を持っている
●OpenType Font
OpenTypeは、Adobe社とMicrosoft社が共同で開発を進めた新たな標準フォント・フォーマットです。前述したとおり、MacintosとWindowsの間で真のクロスプラットホーム化が実現されたわけですね。これは、TrueTypeとPostscriptフォントを統合する技術により実現されています。
・解像度制限がない
・アウトラインプロテクト制限がない
・外字や約物等が大幅に拡張
・従来のShift-JISコード体系以外にUnicodeに対応

・・・・・。

このフォントの詳細を観ていると一番注意するのはOpenType Fontの詳細には・PDFへの埋め込みが出来る。という項目がないことです。

このPDFでのフォント埋め込みに対応するのはTrueType及びNewCID Fontだけなのだろうか?

あ、自宅にあるWindowsの方にOpenType Font埋め込みのPDFを送って開いてみればいいのだ・・・。

●自宅で実験したら答えが分かった

実験結果は成功です。
WindowsにはOpenType Fontはインストールされていないのにちゃんと Acrobatで開いて表示されている。文字のツメも全くおかしくありません。成功だ!
そこでプロパティでフォント情報を観てみました。
「ヒラギノ CID」・・・・・・?

なんでWindowsにCIDのフォントという情報がでるのだ〜、そんなもんMacにもないのに!まあ、このAcrobathにはOpenType Fontというもの自体が認識できないのでかってにCIDと表示されるようにできているのかもしれない・・・?これはまだ検証中ということにします。

とりあえずPDFではOS9環境でもOSX環境でも埋め込まれていることが分かりました。つまり、イラストレータでのデータだと「埋め込みのフォントは置き換えますか?」のエラーが出てしまうが、Acrobatから「ファイルを開く」でその書類を開けばきちんと埋め込みフォントも表示されるということが分かりました。

この実験と編集者の方の意見を総合して考えると、イラストレータで入校するよりもPDFで印刷入校した方が、ちゃんとフォントを埋め込みできる。

そして、使用ソフトのバージョンはまったく関係ないわけです。

入校時にCDーRに焼いたりMOに焼いたりプリント見本をつける必要はなく、インターネットでPDFでフォント画像埋め込みのデータを送ればいいだけと言うことになります。

これは考えてみるとものすごく凄いことだと思います。

とにかくAcrobatさえあれば、どんなソフトで作成してようが、そのソフトのバージョンがどうであろうと関係ないわけです。

注意事項として、PDFでもMacOSXでつくるPDFというのはAcrobatでもバージョン違いや、かなり機能をそぎ落としているPDFとなって製作される簡易版のPDFと思ってもらえればいいと思います。つまりこれはちゃんとした設定を埋め込むことができません。なので、イラストレータなりインデザインでPDFを書き出しとして製作するのが正しいPDFの出し方です。もしくは正式なAcrobatのフォント埋め込みはDistiller経由でないとできできないみたいです。

正直、今回の検証でAdobeがなぜにAcrobatに力をそそいているのかが分かりました。このソフト一つで多くのソフトを網羅し、データを統一し、Windows環境とのプラットフォームまでしてしまう凄いフォーマットなのです。フォントや画像などを埋め込みどこでも、ちがう環境状況でもすべて同じように表示できるというのは驚きです。

これからのDTPの世界はPDF書類なくしては成り立たなくなるのかもしれません。

 

PS.一番今回の実験で分かったということというか、あえて謎や疑問を投げかけてただいたMdNの編集部の担当の方に感謝です。雑誌ずくりの枠をこえいろいろな疑問や検証を忙しいところ熱心に実践していただき、本当に感謝しております

 

MacOSXでDTPを!